認知症に関する研究で著名な鳥取大学医学部の浦上克哉教授によると、アロマの効能が認知症予防や改善につながる可能性があるようです。
アルツハイマー型認知症等では、最初に病変部位(病気による身体の変化)が現れるところとして、脳の記憶や空間学習力に関わる脳の器官である「海馬」という脳の器官が知られています。
最近はテレビなどでもよく聞く言葉になっていますよね。
認知症では、この海馬が深く関わっているという研究があるのですが、アロマの香りで嗅神経を刺激することで、海馬の機能が回復することがわかったんだそうです。
アロマと認知症の関係に興味をもったため調べていたのですが、これを読んでいるということは、もしかしたらあなたにも認知症の兆候ではないかと思うご家族がいらっしゃるのかもしれません。
何気なく会話をしていて、とっさに有名人がでてこなかったりすると、ちょっと心配になったりますよね。
認知症の原因としては、仕事や育児、家事、心配事で長期間に渡って心理的なストレスを受け続けているというようなことも考えられるので、長い間、過度のストレスにさらされているという方は、今、健康上問題がないように見えても、特に注意が必要です。
コルチゾールという副腎皮質ホルモンが分泌され、海馬の神経細胞が破壊されてしまい、萎縮していってしまうからです。
この脳の萎縮が認知症につながっていくんですね。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、うつ病の患者さんには、この萎縮が確認される傾向があるんです。
それでは、なぜアロマセラピーが認知症改善や予防につながるのでしょうか。
嗅神経は再生する能力が高いので、アロマの香りにより、一度弱ってしまった神経細胞がよみがえるからだそうですよ。
浦上教授がそのためのアロマオイルを開発されているんですね。
では、どんなアロマの香りがよいのでしょうか。
開発されたアロマオイルは、朝昼用と夜用の2種類があり、「リ・ブレイン」という名前です。再び脳ですね。再脳。才能。
朝や昼用として、ローズマリーとレモン、夜用として、ラベンダーとオレンジが用意されています。
ローズマリーとレモンは集中量を高めて記憶力を強化するような刺激的な作用があるんです。
ラベンダーとオレンジには、心身への鎮静作用があるようです。
現代では、65歳以上の場合、10人に1人が認知症と言われており、最近ではブラック企業等による過労や心労、人間関係のストレスから若年性痴呆やうつ病が増えていますよね。
健康そうな人であっても、決して他人ごとではないと思っています。
アロマは、認知症の改善だけではなくて、予防や対策にもよいということだったので、そんな兆候がないという人であっても、アロマを楽しみながら普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。